遥か昔、カストディアンと称される人類の支配者たちは、
地球の衛星である月を、
相互理解を阻害する「バラルの呪詛」の発生装置へと改造した。
その目的は、人類より統一言語を奪い、
より効率的に管理・監視することである。
再び、統一言語を手に入れるため、
月の破壊を試みたフィーネのルナアタックにより、
月表面の一部が欠けたままとなっている。
その際にばら撒かれた微細な欠片は月の周囲にてリングを形成し、
かつてと大きく異なる様相と化している。
(追記)
ルナアタックによって一部が破壊された月は、
その影響を取りざたされ、各国機関や民間の天文マニアたちによって、
今日まで観測されてきたのだが、
質量の変化に伴う公転軌道に大きな変化が見出されたという発表はなかった。
多くが、NASAより供与された捏造データを元とした計測であるためであり、
また、一般に情報開示されていない現状では、
月がカストディアンによる人類監視装置であることを知られていないため、
算出に必要な各数値が、これまでのものではまったく役に立っていなかったのである。
月の落下が、一週間後なのか数百年先であるのかは不明。
それだけに不気味な予言となって暗い影を落としている。
余談ではあるが、
ルナアタック直後に刊行された日本のオカルト雑誌「ミヨイ・タミアラ」には、
現在の月状況に酷似した記事が掲載されていたという事実がある。
アカデミズムに対抗してきた
同誌ならではの長年に渡るリサーチの結果ともいえる歴史的スクープであるのだが、
その記事内容については「いつものこと」と黙殺されてしまったきらいがある。
なお、ライターと編集長が雑誌刊行直後に続けて急逝しているため、
さらなる後追い記事がなされていないことも、人々に届かなかった原因といえる。
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